ランドセルの価格帯はどれくらい?
ランドセルの価格は、一般的に5万円〜10万円前後が主流です。
近年では高級志向のブランドランドセルや素材にこだわった製品が増え、10万円を超えるモデルも珍しくありません。特に職人手作りやコードバン素材の製品は、15万円近い価格帯に設定されていることもあります。
この記事ではランドセルが何故この価格設定になっているかを分かりやすく解説します。
- ランドセルが高価な理由(素材・製造・保証など)
- 高価格と品質の関係性
- 後悔しないための購入判断の基準
ランドセルの平均購入価格

引用元:ランドセル工業会
2025年4月に小学校に進学する児童(第一子かどうかは問わない)のいる20歳~69歳の男性・女性で、ランドセルを新しく購入した方を対象にしたアンケートでは、平均購入価格は60,746円になったようです。
55000円以上のランドセルを購入した家庭が6割を超えており、決して安価なものではないことが分かります。
なぜランドセルは高い?価格が上がる5つの理由

1. 素材が高品質
ランドセルには主に「コードバン(馬革)」「牛革」「クラリーノ(人工皮革)」の3種類の素材が使われます。
中でもコードバンは希少価値が高く、ランドセル1個分を取るのに2頭分の馬革が必要と言われています。そのため、素材の原価が高く、販売価格にも反映されます。

2. 職人による手作業・国内製造
日本製ランドセルは多くが熟練職人による手縫いや手作業で作られており、人件費が価格に反映されています。
海外製に比べて高くなる傾向がありますが、その分、品質管理が徹底されており安心です。
比較項目 | 海外製ランドセル | 国産ランドセル(国内ブランド) |
---|---|---|
価格帯 | 約20,000円〜50,000円 | 約50,000円〜100,000円以上 |
素材 | PUレザー、合成皮革が多い | クラリーノ、牛革、コードバンなど多様 |
製造体制 | 工場の大量生産(中国など) | 職人による手作業・国内工場 |
耐久性 | 比較的弱め(3〜4年で劣化例あり) | 高耐久(6年間使用前提) |
3. 6年間保証やアフターサポート
ランドセルにはほとんどのメーカーで6年間の無料保証が付きます。
壊れた部品の修理や代替ランドセルの貸出など、手厚いサポートが用意されているため、その分のコストが価格に含まれています。
6年間保証を行っている代表的なランドセルメーカー
メーカー名 | 特徴・ポイント |
---|---|
土屋鞄製造所 | 職人による丁寧な手作り。修理保証も公式サイトで明記され、全国対応。 |
黒川鞄工房 | 高級路線。コードバンなど上質素材を使ったランドセルに6年間保証が付属。 |
中村鞄製作所 | 牛革・コードバンなど多様な素材展開。全国対応の6年間修理保証。 |
池田屋 | 丈夫さと軽さのバランスが特徴。6年間完全無料修理保証を掲げている。 |
セイバン(天使のはね) | 国内最大級のランドセルブランド。6年間修理保証+全国に店舗あり安心感◎。 |
フィットちゃん | 背負いやすさで人気。6年間修理保証を明記し、保証書も同封。 |
ふわりぃ | 軽量モデルが中心。全国に販売網があり、6年間の保証体制が整っている。 |
4. 安全性・耐久性を考慮した設計とテスト
登下校時の事故防止のために反射材をつけたり、荷重分散設計を取り入れたりと、ランドセルは高い安全基準で設計されています。
また、6年間使える耐久性を確保するための強度テストや品質チェックも価格に影響します。
「安全なランドセル選び」のチェックポイント
・ランドセル工業会の認定証があるか(信頼性あり)
・修理・保証体制(万一の破損に対応しているか)
「ランドセル工業会 認定証」について

- 約40社の国内有力メーカーが加盟(例:セイバン、ふわりぃ、榮伸など)
- 以下のような基準を満たす必要があります:
- 耐荷重性(教科書の重さに耐える)
- 肩ベルトの強度
- 金具の開閉耐久
- 有害物質の不使用
- 安全な設計(ヘリ巻き処理など)
5. ブランド・デザインへのこだわり
特定ブランドのランドセルは、デザイン性や限定モデル、キャラクターとのコラボなどでプレミア感を演出しています。
こうしたブランド価値も価格に反映されており、「子どもが気に入るデザイン」を優先する親に人気です。
過去に販売されたキャラクターコラボランドセル(例)
キャラクター/ブランド | コラボ概要 |
---|---|
ポケモン(ポケットモンスター) | サンアートなどから、ピカチュウやゲンガーの刺繍・モチーフ入りランドセルが登場。 |
ディズニー(プリンセス系) | シンデレラやラプンツェルなど、刺繍やエンブレムが入った上品系コラボランドセル。 |
サンリオ(ハローキティ、マイメロなど) | キャラクター刺繍・内装デザインが特徴。 |
すみっコぐらし | シンプルだけど可愛いデザインで2020年代に流行。 |
リラックマ | 大手通販サイトなど限定で展開。落ち着いた色にキャラがポイントで使われている。 |
プリキュアシリーズ | 年度によって異なるが、テレビ放送と連動したランドセルが販売されたことも。 |
仮面ライダーシリーズ | 派手すぎずロゴや内装に要素が入る。 |
トミカ/プラレール | 電車・車のモチーフを刺繍や型押しで表現。 |
LEGO(レゴ) | 海外ブランドとのコラボ。ロゴやカラーリングを活かしたデザイン。 |
高ければ安心?価格と品質の関係
高価なランドセルほど素材・耐久性・保証内容などで高品質な傾向はありますが、価格と品質が必ずしも比例するとは限りません。
たとえばクラリーノ素材の中堅モデルでも、十分な耐久性と軽さを備えていることがあります。
「必要以上のスペックに高いお金を払っていないか?」という視点も大切です。
メーカー名 | モデル名例(クラリーノ系) | 価格(税込) |
---|---|---|
セイバン | 天使のはね「モデルロイヤル」 | 約57,000円〜62,000円 |
ふわりぃ | プラチナセレクト/グランコンパクト | 約49,000円〜58,000円 |
カザマランドセル | エステラ(クラリーノF使用) | 約52,000円〜56,000円 |
イオン | かるすぽ「みらいポケット」など | 約45,000円〜55,000円 |
ランドセルに“本当に必要な要素”とは
- 子どもにとっての使いやすさ:軽さ、背負いやすさ、ポケットの使いやすさ
- 親にとっての安心感:保証、サポート、通学の安全性
- デザイン性・カラー:毎日使うものだからこそ、子どもが気に入ることも大事
「6年間安心して使える」ことを軸に、家族で話し合って選ぶのが理想です。
後悔しないランドセル選びのポイント
- 実店舗で実物を背負ってみる
- 通学距離や子どもの体格に合った軽さを重視
- 保証内容を比較する
- 早期予約は選択肢が多くて◎(5〜8月がおすすめ)
価格だけで選ばず、総合的なバランスで判断することが、後悔しないランドセル選びにつながります。
ランドセルの展示会が各地で開催されています
ランドセルの展示会とは、各メーカーが最新モデルを実際に展示し、実物を手に取って比較・体験できるイベントです。
購入前にランドセルの質感・背負いやすさ・色味などをじっくり確認したい保護者にとって、とても重要な機会です。
主な目的
- 実物を見て触れることができる
- 子どもが実際に背負って試せる
- 素材の違いや色合いを比較しやすい
- スタッフに直接質問・相談できる
- 限定特典や早期予約特典が付くことも
開催時期は3月~7月ごろがピーク
展示会タイプ | 内容と特徴 |
---|---|
メーカー単独展示会 | 土屋鞄・黒川鞄・中村鞄などが独自に主催。自社製品をじっくり試せる。 |
合同展示会(ランドセル工業会など) | 複数メーカーが集結する大規模イベント。比較検討に最適。 |
百貨店・ショッピングモール内の催事 | 高島屋・イオンなどで開催。買い物ついでに立ち寄れる。 |
オンライン展示会 | コロナ以降普及。動画やライブ配信で紹介。サンプル貸出サービスを行う例もあり。 |
土日中心で事前予約制が多いので、各HPを確認しましょう!
まとめ|「高い=正解」じゃない。理由を知って納得のいく1本を選ぼう
ランドセルの価格が高いのには確かな理由がありますが、それが必ずしも自分の家庭にとっての“正解”とは限りません。
大切なのは、家庭の価値観と子どもの個性に合ったランドセルを選ぶこと。
価格だけに惑わされず、「長く大切に使える1本」を見つけてくださいね。